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工房蟻 2022SS collection ”yuj” / 色のはなし

草木染めの魅力といえば、その自然な色ムラと奥行きのある色あい。植物から抽出した染料には様々な色素が含まれるため、ムラなく均一に染まることはありません。その不均一さが草木染め独特の奥行きを生み出します。今回の企画展では工房蟻さんの春夏の定番アイテムに草木の色をのせて、皆さんにご紹介していきたいと思います。

左:TOPS(吾倍子・グレー)、スカート(藍・インディゴ)
右:ワンピース(柿渋染め・オレンジ)

草木染めで仕上げたアイテムは、使うほどに変化を楽しむことができるという点も大きな魅力のひとつです。徐々に色に深みが増していったり、部分的に色褪せたり、着る方の生活がそのままエイジングとして反映されます。5年、10年と使い込んでいるものとでは色の深みも全く違うものになります。

【吾倍子 ごばいし】
ヌルデの木に出来た虫瘤を〔五倍子〕と呼び、染色、薬用に使います。咳止め、消炎、皮膚炎に良いとされ、平安時代には黒色を染め、お歯黒の原料にもなりました。

【楊梅 やまもも】
暖地の山に自生する、やまもも科の常緑高木。樹皮は古くから染料として、特に魚網を染めるのに用いられたそうです。塩水に耐えるというのも、染料の特徴でしたが、合成繊維が出現してからはその方面には用いられなくなりました。

【藍 あい】
インディゴ(Indigo)の語源にもなったインド藍。マメ科の植物で古くからインドをはじめ東南アジアに広く分布し、藍染めに用いられていました。たくさんの日を浴びた藍は大らかで深みのある色に染まってくれます。

【茜 あかね】
茜は漢方薬としても使用されるほど、薬用効果の高い植物で、浄血や造血など、血液にまつわる 薬効があることから、古来より女性に有効な植物として重宝されてきました。血行促進効果もあると言われ、赤ちゃんの産着 や女性の腰巻の染めにも使用されていました。また、リラックス効果があるとされており、自然 殺菌や消臭効果、月経不順や生理痛にも効果が期待できると言われています。

【柿渋 かきしぶ】
未熟な青色の柿を擦り潰して搾り、一年以上かけて発酵させたものです。京都で作られる無臭柿渋を使用しているので、柿渋独特の匂いを気にせずにご使用いただけます。柿渋液に含まれる「柿タンニン」には防水、防腐、防虫効果があり、塗布することで効果を発揮します。紫外線によって酸化が促進され、色が定着します。

TOPS(茜・ピンク)、テーパードパンツ(楊梅・ベージュ)

日本での草木染めの歴史は諸説あるそうですが、縄文時代には植物を使って染色していた形跡があることから、少なくとも縄文時代には草木染めがすでに行われていたと考えられています。藍染めの抗菌作用や虫除け、茜の滋養強壮や抗菌作用、栗染めは皮膚病にと。私たちがハーブを取り入れるように、昔の人も暮らしに草木を取り入れていたんですね。

こうして名前やエピソードを知ると愛着がわいてくるもの草木染めの魅力。ただピンクのワンピースではなく「茜のワンピース」だと知ると、より親しみが増してきますよね。物によって色の仕上がりも変わるため、草木染めで染色したアイテムは必然的に世界に1つだけの色合いになります。

「工房蟻 2022SS collection ”yuj”」
会期:2022年3月25日(金) – 4月3日(日)
月-土 11:00-19:00、日 11:00-18:00 会期中は休まず営業いたします
場所:kasi-friendly ギャラリースペース
お買い上げ 3,000円以上で駐車サービス券を差し上げます。
※材木町振興組合駐車場、近勘駐車場

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